2022年、第71回(公社)全日本鍼灸学会学術大会は関東支部が担当することになりました。東京での開催は66回大会以来5年ぶりとなります。
大会のメインテーマは、「現代医療における鍼灸の役割-未来へ向けての鍼灸のチカラ―」としました。このテーマに込めた意図は、臨床の各分野における鍼灸の果たす役割を示すと共に鍼灸の力を再認識、再評価する契機とし、鍼灸の更なる発展を期すことにあります。
現在、日本の社会は、予測不能な社会へと進展するであろうと予測されています。その背景要因は、超少子高齢社会の到来、Socity5.0社会の到来など、誰もが経験したことのない社会に遭遇することにあります。社会のかたちが大きく変容する中で最も影響を受ける分野が医療です。
超高齢社会の到来による要支援・要介護を必要とする高齢者の増加、少子化による人口減少・人口構造の変化、Socity5.0社会の到来によるストレスによる心の病の増加など、治らない・治りにくい病が増えてきます。これらの病態は、現代医学の生物学的医療モデルでは限界があり、新たな展開が求められています。鍼灸の持つ特徴は、こうした社会の要求に応えることができると確信しています。
今回の大会では現代医療の中で鍼灸の位置付けを確立するための方策、および鍼灸師が医療人として一翼を担うために兼ね備えておかなければならない知識や技術、考え方を提言したいと思います。即ち、各シンポジウムのテーマにそって、専門医の教育講演を行うとともに、シンポジウムでの指導助言を織り込んだスタイルにしたいと考えています。このことにより、鍼灸の今後の課題、鍼灸師の育成のあり方につながると考えます。提言に当たってはエビデンスに基づいた「鍼灸のちから」を確認し、またその可能性を追求し、現代医療における鍼灸の役割を明確にする学術大会にしたいと考えています。
是非とも多くの皆様にご参加いただきますようお願い申し上げます。